ネイルサロンのBGMは、単に「リラックスできる音楽」を選べばよいわけではありません。
ネイルサロンでは、ネイリストと会話を楽しむ人もいれば、スマートフォンを見ながら静かに過ごす人、施術中にウトウトする人もいます。
そのためStore Soundでは、ネイルサロンのBGMは、
会話のしやすさ × 居心地 × リラックス × 客層 × 店舗の世界観
から考えるのがよいと考えています。
美容院ほど店内を動き回る業態ではなく、エステほど「静かに休むこと」が中心でもない。
会話していても、黙っていても、眠ってしまっても違和感がない。
そんな音環境が、ネイルサロンでは使いやすいのではないでしょうか。
ネイルサロンは「施術+会話」の時間になりやすい
ネイル施術では、お客様とネイリストが同じテーブルを挟み、比較的近い距離で長い時間を過ごします。
デザインや色を相談するだけでなく、施術中に日常の話をすることもあります。
実際、2023年に発表された日本人女性334人を対象とした研究では、プロのネイリストから施術を受けた場合とセルフネイルの場合を比較し、ネイルケアによる心理的な変化に加えて、ネイリストとのコミュニケーションにも着目しています。
プロによる施術では、ポジティブな感情やリラックスなどに違いが確認され、コミュニケーションのあり方も検討されています。
これはBGMについて調べた研究ではありません。
ただ、ネイルサロンでは完成したネイルだけでなく、ネイリストと過ごす時間そのものがサービス体験の一部になっていることを考える材料になります。
そう考えると、BGMも会話とは切り離しにくい存在です。
会話するネイルサロンではBGMが主張しすぎない方がいい
ネイリストとお客様がよく会話する店舗では、BGMを主役にする必要はありません。
むしろ、
- 歌詞が強く耳に入ってくる
- 音量が大きい
- 曲調の変化が激しい
といった音楽は、会話の背景として使いにくい場合があります。
そのため、会話を大切にするネイルサロンでは、
- ローファイ
- アコースティック
- ジャズ
- ピアノ
- 穏やかなインストゥルメンタル
など、存在感が強すぎない音楽が使いやすいでしょう。
重要なのは、
「何か音を流しておく」ことより、会話を邪魔しない音環境をつくること
です。
ネイル中にウトウトする人もいる
一方、ネイルサロンに来る人が全員会話をしたいわけではありません。
施術中にスマートフォンを見る人。
静かに過ごす人。
目を閉じて休む人。
そして、長時間の施術中にウトウトしてしまう人もいます。
ここはネイルサロンのBGMを考えるうえで意外に重要です。
「寝る人がいるから睡眠用BGMを流すべき」という意味ではありません。
重要なのは、
何もしない時間にも邪魔にならない音楽
であることです。
睡眠時に利用される音楽と勉強時に利用される音楽を大規模なSpotifyプレイリストから分析した2023年の研究では、両者には共通する音響的特徴が多く確認されています。睡眠用音楽では、比較的穏やかで刺激の強すぎない音楽が多く使われていました。
もちろん、これはネイルサロンを対象にした研究ではありません。
ただし、
人が長時間リラックスして過ごす空間では、注意を強く引きつけない音楽が使われやすい
という点は、ネイルサロンのBGMを考えるうえでも参考になります。
「会話しても、黙っても、寝ても成立する」がネイルサロンでは強い
ここまで考えると、ネイルサロンのBGMには独特の難しさがあります。
会話を楽しむ人には、会話を邪魔しない。
静かに過ごす人には、無音の気まずさを感じさせない。
スマートフォンを見ている人には、意識を奪いすぎない。
ウトウトする人には、刺激が強すぎない。
つまり、
会話していても、黙っていても、眠ってしまっても成立する音楽
が使いやすいのです。
これは、美容院とも少し違います。
ネイルサロンでは、BGMに「盛り上げてもらう」よりも、お客様が自分の好きな過ごし方を選べる余白を残すことの方が重要な店舗もあります。
ネイルサロンでは店内環境そのものがサービス体験になる
ネイルサロンでは、施術技術だけでなく店内環境も顧客体験に関係します。
2020年にネイルサロン利用者400人を対象として行われた研究では、店舗の美観、環境条件、清潔さ、利便性などの「サービススケープ」と、顧客満足や再来店意向との関係が調べられています。
その結果、店舗の美観・環境条件・清潔さ・利便性などと顧客満足との間に関連が確認されています。
別の研究でも、ネイルサロンのサービス環境とサービス価値、顧客満足、再来店意向との関係が分析されています。
これらの研究が「このBGMを流せば再来店率が上がる」と示しているわけではありません。
ただ、
ネイルサロンは仕上がりだけで評価される空間ではない
という点は重要です。
照明、内装、清潔さ、接客などと同じように、BGMも店内で過ごす環境を構成する一つの要素です。
店主が好きな音楽がお客様にも心地いいとは限らない
ネイルの施術時間は長くなることがあります。
そのため、店舗側が好きだからという理由だけで個性の強い音楽を長時間流すことは、すべてのお客様にとって快適とは限りません。
サービスを待つ状況で音楽の影響を調べた研究では、音楽に対する好みが待ち時間の感じ方や気分に影響し、そのうち気分がサービス体験全体の評価に関係していました。
また別の研究でも、音楽がサービス環境に対する感情評価や行動意向に影響する結果が報告されています。
これらもネイルサロンそのものを対象とした研究ではありません。
それでも、
自分が好きな曲=お客様全員にとって快適な曲
ではないという当たり前のことを、長時間滞在するネイルサロンでは特に意識した方がよいでしょう。
ネイルサロンのタイプによってBGMは変わる
若い女性向け・トレンド重視
SNSでの見え方やトレンド感を重視する店舗では、ローファイや軽いポップ調のインストなど、現代的な印象の音楽が合わせやすいでしょう。
大人向け・高単価
落ち着いた内装で一人ひとり丁寧に施術するサロンなら、ジャズ、ピアノ、アコースティックなど、空間の世界観を邪魔しにくい音楽が使いやすくなります。
会話を大切にする個人サロン
ネイリストとの会話が来店体験の大きな部分を占める店舗なら、音楽は背景です。
歌詞や主張の強い音楽より、会話を邪魔しにくいインストが向く場合があります。
静かに過ごせることを大切にするサロン
必要以上に話しかけず、リラックスして過ごしてもらうことを重視するなら、ヒーリングピアノなど穏やかなBGMも選択肢になります。
ネイルサロンで使いやすいBGMジャンル
ローファイ
現代的な雰囲気を出しながら、歌詞を前面に出しにくいのが特徴です。
会話の背景としても使いやすいでしょう。
アコースティック
ナチュラルな内装や温かい雰囲気の店舗と合わせやすい音楽です。
ジャズ
落ち着いた大人向けの店舗や、高単価のネイルサロンでも選択肢になります。
ヒーリングピアノ
静かに過ごしてほしい店舗や、ウトウトできるくらい落ち着いた空間をつくりたい場合に使いやすいでしょう。
ただし、ジャンル名から決めるのではなく、
「施術中にお客様にどう過ごしてほしいのか」
から考える方が重要です。
ネイルサロンでもYouTubeや個人向け音楽サービスの利用には注意
小規模なネイルサロンや個人サロンでは、開業時に普段使っているYouTubeや音楽配信サービスをそのまま使いたくなるかもしれません。
ただし、個人で音楽を聴く場合と、店舗BGMとして利用する場合では扱いが異なることがあります。
店舗で利用する場合は、楽曲の著作権だけでなく、使用する音楽サービスの利用規約も確認する必要があります。
日常的にBGMを流すのであれば、最初から店舗利用を想定したBGMサービスを選ぶ方法もあります。
Store Soundが合いやすいネイルサロン
Store Soundはインストゥルメンタル中心の店舗向けBGMサービスです。
そのため、
- 会話を邪魔しにくい音楽を流したい
- 静かに過ごすお客様にも合わせたい
- 有名曲には特にこだわらない
- 店内を無音にしたくない
- 長時間聞いても主張しすぎない音楽がほしい
- 選曲に時間をかけたくない
- 店舗利用できるBGMを簡単に流したい
といったネイルサロンでは使いやすい選択肢になります。
反対に、
最新のJ-POPやK-POP、有名アーティストの楽曲そのものを店舗の世界観にしたいサロンには向いていません。
その場合は、それらの楽曲を店舗で利用できるサービスを選ぶ方が目的に合っています。
ネイルサロンのBGMは「施術中をどう過ごしてほしいか」で決める
ネイルサロンでは、完成したネイルだけがサービスではありません。
ネイリストと会話を楽しむ人。
静かに過ごす人。
スマートフォンを見る人。
目を閉じて休む人。
そのままウトウトしてしまう人。
同じ施術でも、過ごし方はさまざまです。
だからこそStore Soundでは、ネイルサロンのBGMは、
「ネイルサロンにはどんな音楽が似合うか」
ではなく、
「施術中の時間を、お客様にどう過ごしてほしいか」
から考えるのがよいと考えています。
理想は、
会話していても、黙っていても、眠ってしまっても邪魔にならないこと。
音楽そのものを主役にせず、お客様が自分なりの過ごし方を選べる空間をつくる。
それがネイルサロンでは、使いやすいBGMの一つの考え方です。
サロン全体における音楽の役割については、「サロンと音楽の関係」の記事でも詳しく紹介しています。
