アイラッシュサロンのBGMは、ネイルサロンやエステサロンと似ているようで、少し役割が違います。
最大の違いは、施術中に目を閉じている時間が長いことです。
ネイルサロンでは、デザインを相談したり、スマートフォンを見たり、ネイリストと会話したりしながら過ごせます。
一方、まつ毛パーマやまつ毛エクステでは、施術中の多くの時間を目を閉じた状態で過ごします。
そのためアイラッシュサロンでは、BGMは単なる「店内の雰囲気づくり」ではなく、
目を閉じて過ごす施術時間そのものを支える音
として考える必要があります。
Store Soundでは、アイラッシュサロンのBGMは、
安心感 × リラックス × 音の主張の少なさ × 店舗の世界観
から考えるのがよいと考えています。
ネイル・エステ・アイラッシュは似ているようで違う
美容系サロンでは、ヒーリングピアノやジャズ、ローファイなど穏やかなBGMが使われることがあります。
ただし、同じ音楽でも業態によって役割は違います。
ネイルサロン
ネイルでは、お客様が施術中も目を開けています。
デザインを相談したり、会話したり、スマートフォンを見たり、ときにはウトウトしたりと、過ごし方の自由度が高い業態です。
そのためネイルのBGMでは、
「会話しても、黙っても、寝ても邪魔にならない」
ことが重要になります。
エステサロン
エステでは目を閉じる時間が長く、照明や香り、施術、BGMまで含めて非日常の時間をつくります。
音楽には、
リラックスだけでなく、特別な時間への没入感をつくる
役割があります。
アイラッシュサロン
アイラッシュはその中間に近い業態です。
エステほど全身で非日常体験をつくる業態ではありませんが、ネイルよりも視覚情報が大きく制限されます。
そのため、
「目を閉じたまま一定時間安心して過ごせること」
がBGM選びの中心になります。
施術時間が長いほど、BGMは無視できなくなる
アイラッシュサロンでは、メニューによって施術時間が変わります。
まつ毛パーマなら比較的短時間で終わることもありますが、まつ毛エクステでは本数や施術内容によって1時間以上かかるケースもあります。
ネイルも同様に1〜2時間程度かかるメニューがあります。
つまり、どちらも「数分だけ店内にいる業態」ではありません。
ただし大きく違うのは、その時間をどう過ごすかです。
ネイルなら施術を見ることもできます。
スマートフォンを見ることもできます。
ネイリストと話すこともできます。
一方、アイラッシュでは目を閉じているため、それらの選択肢が大きく減ります。
この違いによって、同じ60分でも音の存在感は変わってきます。
目を閉じると音への注意の向き方も変わる可能性がある
目を閉じることと音の知覚については、心理学・神経科学でも研究されています。
2009年のfMRI研究では、音楽を聴く際に目を閉じた条件では、目を開けた条件と比較して、感情的な音楽に対する主観的な感情評価や脳活動が強くなる結果が報告されています。 (pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
もちろん、これはアイラッシュサロンを対象にした研究ではありません。
「目を閉じれば必ず音楽が強く感じられる」と単純に断定することもできません。
ただし、
視覚情報が減ると、音の受け取り方や注意の向き方も変化し得る
ということは、アイラッシュサロンのBGMを考えるうえで参考になります。
だからこそ、目を閉じている時間が長いアイラッシュでは、BGMの音量や曲調が美容院やネイル以上に気になりやすい可能性があります。
アイラッシュでは「目立つ音楽」が逆効果になることもある
施術中に目を閉じていると、
- BGM
- スタッフの声
- 他のお客様の会話
- 器具を置く音
- ドアの開閉音
- 店外の騒音
など、耳から入る情報が店舗体験の大きな部分を占めます。
その状態で、
- 急に大きな音になる
- 曲ごとの音量差が大きい
- テンポの変化が激しい
- 歌詞が強く耳に入ってくる
といったBGMが流れると、リラックスしていた意識が音楽へ引き戻されることがあります。
アイラッシュサロンでは、
「いい曲を流している」と意識してもらうことより、「音楽を気にせず過ごせる」こと
の方が重要な店舗も多いでしょう。
寝てしまうお客様もいる
アイラッシュ施術中に眠ってしまう人もいます。
目を閉じた状態で一定時間横になり、スマートフォンを見ることもできないため、自然と休息の時間になりやすいからです。
ここでも、
「寝る人がいるから睡眠用BGMを流す」
と考える必要はありません。
重要なのは、
眠ってしまっても邪魔にならない程度の音楽
です。
睡眠用として利用されている音楽を分析した研究では、比較的刺激が少なく穏やかな特徴を持つ楽曲が多いことが報告されています。 (nature.com)
そのため、
- ヒーリングピアノ
- 穏やかなアンビエント
- オルゴール
- 静かなアコースティック
などは、アイラッシュのような環境でも使いやすいでしょう。
アイラッシュでは「安心感」も重要になる
ネイルとの大きな違いは、施術中に周囲を確認できないことです。
目を閉じた状態では、
「今何をしているのか」
「スタッフがどこにいるのか」
「店内で何が起きているのか」
を視覚的に確認できません。
そのため、スタッフの声かけや施術音、店内の音環境が安心感に関わります。
BGMはここでも主役ではありません。
むしろ、
店内を完全な無音にせず、適度に音で包む
ことで、静かすぎる緊張感を和らげる役割を持たせることができます。
ただし音量が大きすぎると、スタッフの声が聞き取りにくくなるため逆効果です。
アイラッシュでは、
BGMよりスタッフの声が自然に聞こえる音量
を基準にする方がよいでしょう。
ネイルとアイラッシュを併設しているサロンではどうする?
ネイルとアイラッシュを同じ店舗で提供しているサロンもあります。
この場合、BGM選びは少し難しくなります。
同じ時間に、
- ネイル側ではお客様とスタッフが会話している
- アイラッシュ側ではお客様が目を閉じている
- 施術中に眠っているお客様もいる
という状況が同時に起こることがあるからです。
ネイル側だけに合わせて明るく主張の強い音楽を流すと、アイラッシュ側では刺激が強く感じられるかもしれません。
反対に、アイラッシュだけを基準に極端に静かな音環境にすると、ネイル側では会話のない瞬間に少し静かすぎると感じることもあります。
そのため併設サロンでは、
どちらか一方の業態だけに最適化するのではなく、両方で邪魔になりにくいBGMを選ぶ
という考え方が使いやすいでしょう。
たとえば、
- 穏やかなローファイ
- アコースティック
- ヒーリングピアノ
- 軽めのジャズ
- 主張の少ないアンビエント
などです。
特に同じオープンスペース内で施術する場合は、
「最も静かに過ごしたいお客様でも気になりにくいか」
を基準にすると選びやすくなります。
ネイルのお客様は会話ができますが、アイラッシュのお客様は施術中に視覚的な逃げ場がありません。
そのため、共通BGMを一つ流すなら、少しアイラッシュ側へ寄せた音環境の方が両方で成立しやすいでしょう。
個室サロンとオープン型サロンでもBGMの役割は変わる
アイラッシュサロンの店舗形態によっても音の使い方は変わります。
1席・個室型サロン
個人サロンや完全予約制で静かな環境なら、BGM自体をかなり小さくしても成立します。
ヒーリングピアノやアンビエントなど、存在感の少ない音楽が使いやすいでしょう。
複数ベッドがあるサロン
複数のお客様を同時に施術する店舗では、隣のお客様とスタッフの会話が聞こえることがあります。
この場合BGMには、
空間全体の会話音を少し目立ちにくくする背景音
としての役割も出てきます。
完全に会話を消すものではありませんが、無音の場合より周囲の声へ意識が向きにくくなることがあります。
ネイル併設店でも、同じ考え方が使えます。
アイラッシュサロンに使いやすいBGM
ヒーリングピアノ
目を閉じて静かに過ごす時間と合わせやすく、アイラッシュでは使いやすいジャンルです。
音数が多すぎず、旋律が強く主張しない曲を選ぶとよいでしょう。
オルゴール
柔らかな音色でリラックスした雰囲気をつくりやすい音楽です。
ただし、高音が強い曲は長時間では耳につく場合があります。
アンビエント
曲そのものを意識させず、空間全体に音を置きたい店舗と相性があります。
アイラッシュのBGMとして特に使いやすいジャンルです。
アコースティック
静かすぎる雰囲気ではなく、少し温かみを持たせたい場合に使いやすいでしょう。
ローファイ
若い顧客が多い店舗や、現代的な内装のアイラッシュサロンでは選択肢になります。
ただしビートが強すぎない楽曲の方が、施術中には使いやすいでしょう。
J-POPやK-POPはアイラッシュに向かない?
絶対に向かないわけではありません。
若い顧客が多く、店舗自体をカジュアルな雰囲気にしたいのであれば、J-POPやK-POPを流す考え方もあります。
ただしアイラッシュでは、お客様が目を閉じている時間が長いため、音楽そのものへの意識が向きやすくなる可能性があります。
そのため、
リラックスや睡眠に近い過ごし方を重視する店舗では、インストの方が使いやすい
と考えられます。
一方、
「静かなサロンにしたいわけではない」
「トレンド感を出したい」
という店舗なら、有名曲を店舗利用できるサービスを使う選択肢もあります。
ネイルとは似ている。でも同じBGM設計ではない
ネイルとアイラッシュを同じ「美容サロン」としてまとめることはできます。
実際、両方を併設している店舗もあります。
ただ、施術中の環境を見ると違いがあります。
ネイル
→ 目を開けている
→ デザインを見る
→ スマートフォンを見る
→ 会話する
→ ときどき眠る
アイラッシュ
→ 基本的に目を閉じている
→ スマートフォンを見られない
→ 周囲を確認できない
→ 会話しない時間が増えやすい
→ 眠ることもある
だから、ネイルでは、
「何をしていても邪魔にならない音」
が使いやすい。
アイラッシュでは、
「目を閉じた状態で安心して長時間過ごせる音」
が使いやすい。
そして併設サロンでは、
「会話を邪魔せず、目を閉じている人にも刺激が強すぎない音」
を共通点として探す。
この3つを分けて考えると、店舗に合ったBGMを選びやすくなります。
Store Soundが合いやすいアイラッシュサロン
Store Soundはインストゥルメンタル中心の店舗向けBGMサービスです。
そのため、
- 施術中に静かに過ごしてほしい
- 寝てしまうお客様もいる
- 有名曲を流す必要はない
- 店内を完全な無音にはしたくない
- スタッフの声を邪魔しないBGMがほしい
- ヒーリングピアノなど穏やかな音楽を使いたい
- ネイルとアイラッシュを併設している
- 選曲に時間をかけたくない
といったアイラッシュサロンでは使いやすい選択肢になります。
反対に、
J-POPやK-POP、有名アーティストの曲そのものを店舗の雰囲気づくりに使いたい店舗には向いていません。
その場合は、それらの楽曲を店舗利用できるサービスを選ぶ方が目的に合っています。
アイラッシュサロンのBGMは「目を閉じた時間」を基準に考える
アイラッシュサロンのBGMを考えるとき、ネイルや美容院と同じ基準で考える必要はありません。
お客様は施術中、長い時間目を閉じています。
その時間には、
スマートフォンも見ない。
雑誌も読まない。
周囲の店内を見ることもない。
だからこそ音の存在感が大きくなります。
Store Soundでは、アイラッシュサロンのBGMは、
「どんな音楽がまつ毛サロンっぽいか」
ではなく、
「目を閉じている時間を、どう感じてもらいたいか」
から考えるのがよいと考えています。
会話しなくても気まずくない。
眠ってしまっても邪魔にならない。
スタッフの声はきちんと聞こえる。
ネイルと併設していても、会話の背景として成立する。
そして施術が終わったときに、
「気づいたら時間が経っていた」
と思える。
アイラッシュサロンでは、そんな音環境をつくるBGMが使いやすいでしょう。
サロン全体における音楽の役割については、「サロンと音楽の関係」の記事でも詳しく紹介しています。
