理容室のBGMは必要?昔ながらの床屋と現代的なバーバーで違う音楽の役割

理容室にBGMは必須ではありません。

昔ながらの床屋では、ラジオやテレビが流れていたり、新聞や漫画が置かれていたりして、音楽をそこまで重視していない店舗もあります。

一方で、2010年代以降に目立つようになった「BARBER」「BARBERSHOP」と呼ばれる店舗では事情が違います。

フェードカットやシェービング、メンズグルーミングだけでなく、内装やファッション、カルチャーまで含めて「格好いい男性になる場所」として店をつくっているケースがあり、そこではBGMも店舗の世界観をつくる重要な要素になります。

そのためStore Soundでは、理容室のBGMについて、

「理容室だから何を流すか」ではなく、その店が“髪を切る場所”なのか、“スタイルや体験まで提供する場所”なのか

から考えるのがよいと考えています。

目次

理容室ではBGMを重要視しない店もある

昔ながらの理容室を思い浮かべると、音楽よりもテレビやラジオの印象が強い人もいるのではないでしょうか。

待っている間に新聞や漫画を読む。

テレビを眺める。

店主と世間話をする。

地域によっては予約制ではなく、来店順に椅子が空くのを待つ。

こうした営業スタイルの理容室では、BGMそのものを店舗体験の中心にする必要はありません。

音楽を流すとしても、ラジオが自然に流れている程度で十分という店舗もあります。

これは決して古い、悪いという話ではありません。

その店のお客様が、

「いつもの店で、いつものように髪を切ってもらう」

ことを求めているのであれば、音楽へ大きなコストや手間をかけなくても店舗として成立します。

理容室では、BGMが必須とは限らないのです。

理容室と美容院ではできる施術にも違いがある

そもそも理容室と美容院は、法律上の業務にも違いがあります。

厚生労働省は、理容を「頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えること」と定義しています。 (mhlw.go.jp)

厚生労働省の資料でも、理容師はカットだけでなく顔そりを行える一方、美容師による顔そりは、化粧に付随する軽い程度のものに限られると整理されています。 (mhlw.go.jp)

つまり理容室には、

  • カット
  • 刈り上げ
  • シェービング
  • ヒゲや顔まわりの身だしなみ

まで含めて男性の容姿を整えるという、理容室ならではの特徴があります。

現代的なバーバーでは、この理容室ならではの技術が、再び店舗の強みとして打ち出されています。

2010年代以降、「バーバー」という新しい理容室が目立つようになった

理容室という業態そのものがなくなったわけではありませんが、男性客が美容院へ行くことも一般的になりました。

その中で2010年代以降、「昔ながらの床屋」とは少し違うタイプの理容室が目立つようになります。

ホットペッパービューティーアカデミーは2016年、翌2017年のトレンド予測として、旧来の理容室にビューティー・ファッション・カルチャーなどの付加価値を加えた「バーバー」が増加していると紹介しています。 (hba.beauty.hotpepper.jp)

そこでは、

「安く髪を短くする場所」

だけではなく、

「男性が格好よくなる場所」

として理容室を再構築する動きが見られます。

フェードカットなどのバーバースタイルも、その象徴の一つです。

ホットペッパービューティーマガジンでも、フェードを特徴とするクラシカルな「バーバースタイル」が一つのメンズヘアジャンルとして紹介されています。 (beauty.hotpepper.jp)

「髪を切る場所」から「格好よくなる場所」になると音楽の意味が変わる

ここがBGMを考える上で重要です。

昔ながらの理容室では、

技術・価格・立地・店主との関係

などが店舗選びの中心になり、音楽はそれほど重要ではないケースがあります。

一方、現代的なバーバーでは、

  • ヘアスタイル
  • シェービング
  • 店舗内装
  • 理容椅子
  • 照明
  • スタッフのファッション
  • ロゴ
  • インテリア
  • 音楽

まで含めて、一つの世界観をつくっている店舗があります。

この場合、BGMは単なる「無音を防ぐもの」ではありません。

その店がどんなカルチャーに属しているのかを伝えるもの

になります。

たとえば、アメリカンヴィンテージを意識したバーバーに、空間とはまったく関係のない音楽が流れていれば、せっかく作った世界観が弱く感じられることもあります。

反対に、内装・スタッフ・ヘアスタイル・音楽まで方向性が揃えば、お客様は入店した瞬間からその店らしさを感じやすくなります。

実際に通っていたLocal Barber HIRAKAWA

このタイプの理容室を考えるとき、分かりやすい例の一つが埼玉県草加市のLocal Barber HIRAKAWAです。

筆者自身も以前この店に通っており、実際に何度も髪を切ってもらっていました。

そのとき感じていたのは、単に「髪を切る床屋」というより、店内の内装や流れている音楽まで含めて、普通の床屋とは違う世界観をつくっている店だということです。

実際、同店は公式サイトで、アメリカの田舎にあるような「オーセンティックなバーバー」を目指していると説明しています。

店内には1950〜70年代のヴィンテージ家具などを使用し、BGMにはR&B、ソウル、ブルースなどを流していると明記されています。 (local-barber.jp)

提供しているのもカットだけではありません。

カラー、パーマに加え、「床屋ならではのシェービング」もサービスとして掲げています。 (local-barber.jp)

ここでは、

理容技術 × インテリア × カルチャー × 音楽

が一つにつながっています。

公式サイトではさらに、映像・音楽・演劇・バイク・車関係の仕事をする顧客も多く、情報交換の場として利用してほしいとも紹介しています。 (local-barber.jp)

つまり音楽は、店内に何となく流しているものではなく、その店がどんな人たちに来てほしいのかを表現する要素の一つになっています。

筆者自身の体験と公式サイトに書かれている内容を照らし合わせても、HIRAKAWAは「理容室におけるBGMがブランドの一部になる」例として分かりやすい店舗です。

バーバーと音楽はカルチャーとして相性がいい

現代的なバーバーでは、音楽との結びつきをさらに強くしている店舗もあります。

ホットペッパービューティーアカデミーでは、大阪・中崎町の「MR.BROTHERS CUT CLUB」がレコードバーと組み合わせた店舗を展開した事例も紹介されています。 (hba.beauty.hotpepper.jp)

ここまで来ると、音楽は待ち時間のためのBGMではありません。

店そのもののコンセプトの一部です。

バーバーは、髪型だけでなくファッションやバイク、ヴィンテージ、音楽など男性カルチャーと組み合わせやすい業態でもあります。

そのため「どの音楽を流すか」が、一般的な理容室より重要になる店舗もあります。

すべての理容室がおしゃれなBGMを流す必要はない

だからといって、

「今どきの理容室なら、おしゃれなBGMを流すべき」

という結論ではありません。

地域密着の昔ながらの理容室

テレビやラジオ、店主との会話で十分成立しているのであれば、無理に音楽へこだわる必要はありません。

低価格・短時間を重視する理容室

お客様が求めているものがスピードや価格なのであれば、音楽よりオペレーションを優先する方が合理的です。

メンズグルーミングを重視するバーバー

カットだけでなく、シェービングや身だしなみまで含めた体験を売るのであれば、落ち着いたインストやジャズなども空間づくりに使えます。

ファッション・カルチャーを打ち出すバーバー

店舗のコンセプトによって、ソウル、R&B、ブルース、ロックなど、音楽そのものがブランドの一部になる場合があります。

重要なのは、

「理容室だから何を流すか」ではなく、「自分の店は何を売っているのか」

です。

理容室でインストBGMが合うのはどんな店?

Store Soundはインストゥルメンタル中心の店舗BGMサービスです。

そのため、音楽自体をカルチャーとして強く打ち出し、有名曲や特定ジャンルのアーティストを流したいバーバーには向いていない場合があります。

一方で、

  • 高単価
  • 予約制
  • 大人の男性が中心
  • シェービングやグルーミングを重視
  • 静かに会話できる空間をつくりたい
  • 音楽そのものを主役にはしたくない

といった理容室では、ジャズやローファイ、アコースティックなどのインストが使いやすいケースがあります。

美容院と同じく、Store Soundがすべての理容室に最適というわけではありません。

店のコンセプトによっては、店舗利用できる有名楽曲系サービスの方が合う場合もあります。

逆に、

「音楽には強いこだわりはない。ただ、無音にはしたくないし、店の雰囲気は崩したくない」

という理容室には、インスト中心の店舗BGMサービスは使いやすい選択肢になります。

理容室のBGMは「店のポジショニング」で考える

理容室のBGMには、一つの正解がありません。

ラジオが流れ、新聞を読みながら順番を待つ昔ながらの床屋。

予約制で一人ひとり丁寧に施術する大人向け理容室。

フェードやシェービングを武器に、男性のファッションやカルチャーまで提案するバーバー。

同じ理容室でも、売っている体験が違います。

そのためStore Soundでは、理容室のBGMは、

「何の音楽が理容室っぽいか」ではなく、「この店をお客様にどう感じてほしいか」

から考えるのがよいと考えています。

昔ながらの地域密着店なら、音楽を重視しないという選択も正解です。

一方で、

「ただ髪を切る床屋」ではなく、「格好いい髪型や男性らしいスタイルを提供するバーバー」

としてポジショニングするなら、BGMも内装やシェービングと同じように、店舗ブランドをつくる一つの要素になります。

サロン全体における音楽の役割については、「サロンと音楽の関係」の記事でも詳しく紹介しています。

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