スイーツ・パフェ店に来る人は、単にお腹を満たしに来ているわけではありません。
季節限定のパフェを食べたい。
友人と写真を撮りたい。
仕事を頑張った日のご褒美にしたい。
子どもの頃に好きだったクリームソーダを、久しぶりに飲みたい。
そんな気持ちを持って店に来ることがあります。
スイーツは、味だけでなく、
「その時間をどう過ごしたか」まで記憶に残りやすい商品
です。
だからスイーツ・パフェ店のBGMは、
おしゃれな曲を流せばいいのではなく、写真を撮る時間、会話する時間、昔の記憶を思い出す時間まで含めて邪魔しない音
として考えるのが自然です。
Store Soundでは、
「スイーツに合う音楽は何か」より、「この店で過ごした時間を、どんな思い出として持ち帰ってほしいか」
からBGMを考えるのがよいと思っています。
スイーツは、食べる前から楽しい
パフェが運ばれてくる。
お客様が少し身を乗り出す。
「かわいい」
「思ったより大きい」
「写真撮ろう」
そんな時間があります。
特にパフェやクリームソーダ、プリンアラモードのようなスイーツは、口に入れる前から体験が始まっています。
メニューを見る。
注文する。
出来上がるのを待つ。
運ばれてきた瞬間を見る。
写真を撮る。
一緒に来た人と話す。
ようやく最初の一口を食べる。
食べるまでの時間まで含めて商品になりやすい。
これはスイーツ店の大きな特徴です。
BGMは、この時間に強く主張する必要はありません。
むしろ、
「わあ、来た」と思う瞬間を邪魔しないこと
の方が大切です。
「映える店」では、音は写真に写らない。でも体験には残る
スイーツ店では、SNSに投稿されることを意識して商品や内装をつくっている店舗もあります。
色。
器。
盛り付け。
テーブル。
照明。
壁。
ロゴ。
全部きれいに揃えて、写真にしたときの見え方まで設計する。
ただ、写真にはBGMは写りません。
だから音楽は後回しになりがちです。
でも実際に店へ来た人は、写真だけを体験しているわけではありません。
店内の温度。
周りの声。
食器の音。
スタッフの接客。
そして音楽。
これらを全部まとめて体験しています。
どれだけ写真映えする空間でも、
突然広告音声が流れる。
通知音が鳴る。
店の雰囲気とまったく違う曲が大音量で流れる。
となれば、写真には残らなくても、その場の気分は変わります。
映えを考える店ほど、「写真に写らない要素」を雑にしない方がいい。
BGMも、その一つです。
「映える」は、その日の思い出を残す行為でもある
写真を撮る理由は、SNSに投稿するためだけではありません。
友人と食べたパフェ。
恋人と行った店。
子どもと食べたアイス。
旅行先で立ち寄った喫茶店。
写真フォルダに残って、数年後に見返すことがあります。
つまり、
スイーツの「映え」は、その日の記憶を残す行為でもあります。
だから店側から考えると、
「写真を撮ってもらえる商品をつくる」
だけでなく、
「写真を撮りたくなる時間そのものをつくる」
という考え方もできます。
きれいな商品。
居心地のよい席。
気持ちのよい接客。
そして、その後ろに自然に流れている音楽。
BGMだけで思い出をつくれるわけではありません。
ただ、その場の空気を構成する一つの要素にはなります。
メロンソーダを見ると、昔の喫茶店を思い出す
スイーツには、記憶を呼び戻すものがあります。
メロンソーダ。
クリームソーダ。
プリンアラモード。
ホットケーキ。
昔ながらのアイスクリーム。
それを見るだけで、
子どもの頃に家族で行った喫茶店。
祖父母と出かけた日。
休日に連れて行ってもらったレストラン。
昔住んでいた町。
そんな場面まで思い出すことがあります。
味だけを覚えているのではありません。
グラスの形。
店内の照明。
椅子。
食器。
一緒にいた人。
店に流れていた音。
そうしたものが一つの記憶になっています。
スイーツは、
「今食べているもの」と「昔の楽しい記憶」がつながりやすい商品
でもあります。
レトロ喫茶の音楽は「昔の曲なら何でもいい」ではない
最近では、クリームソーダや硬めのプリンなど、昔ながらの喫茶店メニューを現代的に見せる店もあります。
ここで、
「レトロだから昔のヒット曲を流そう」
と単純に考える必要はありません。
店によっては、昔の曲そのものを楽しませたいわけではなく、
少し懐かしい空気だけを感じてもらいたい
こともあります。
その場合は、
静かなジャズ。
ピアノ。
少し古い質感を感じるインスト。
などでも世界観をつくれます。
逆に、店主が昭和歌謡や特定年代の音楽まで含めて店をつくっているなら、その音楽自体がブランドになります。
大切なのは、
「レトロに見えるか」ではなく、「どんな記憶や気分を呼び起こしたい店なのか」
です。
新しい思い出も、店の中でつくられている
スイーツと音楽の関係は、懐かしさだけではありません。
今この瞬間も、新しい思い出がつくられています。
初めて二人で行った店。
友人の誕生日。
娘と初めて食べたパフェ。
受験が終わった日に食べたケーキ。
旅行中に偶然入った喫茶店。
そのときに食べたものは、あとから特別なものになることがあります。
店側には、それがどんな一日なのか分かりません。
だからこそ、
その人にとって大切になるかもしれない数十分を、余計な音で壊さない
という考え方があります。
BGMは思い出を直接つくるものではありません。
でも、
思い出がつくられている場所の空気を整えることはできます。
スイーツ店は「ご褒美の時間」を売っている
スイーツは日常的な食べ物でもありますが、
「今日はちょっといいものを食べよう」
という場面でも選ばれます。
仕事が終わった。
買い物を頑張った。
旅行に来た。
久しぶりに友人と会った。
そんな日に食べるパフェは、
空腹を満たす以上の意味を持ちます。
甘いものを食べること自体が、小さなイベントになっている。
だからスイーツ店では、
「おいしいものを提供する」
だけでなく、
そのご褒美の時間をどう包むか
も考えられます。
音楽は、そのための一要素です。
高級パフェでは、音楽より静けさが大事なこともある
一方、価格帯の高いパフェ専門店では、派手な演出が逆効果になることもあります。
旬のフルーツ。
温度。
食感。
香り。
構成。
器。
提供する順番。
そこまで細かく設計している店では、お客様も一口ずつ味わいます。
この場合のBGMは、
楽しい雰囲気をつくる音というより、味わう時間を邪魔しない背景
に近くなります。
静かなピアノ。
ジャズ。
アンビエント。
音数の少ないインスト。
あるいは、かなり小さな音量。
高級なスイーツ店では、
「どんな曲か」より「どこまで音を引くか」
の方が重要になることもあります。
友人との会話が主役なら、BGMは後ろでいい
パフェやスイーツを友人と食べるとき、
実際には食べている時間より、話している時間の方が長いこともあります。
最近どうしてる。
仕事どう。
家族どう。
次どこ行く。
そんな話をしながら、パフェを食べる。
このときBGMが大きすぎれば、会話の邪魔になります。
特に、
歌声が強い。
音圧が高い。
曲ごとの変化が大きい。
という音楽は、店によっては存在感が強くなります。
音楽そのものを楽しませる店でなければ、
会話の後ろに自然に存在するくらい
がちょうどよいでしょう。
一人で甘いものを食べる時間にも音楽はあると自然
一人でパフェを食べる。
一人でケーキを食べる。
買い物途中に休憩する。
仕事帰りに甘いものを食べる。
こういう時間もあります。
一人の場合、会話はありません。
そのため店内が静かすぎると、
隣の会話。
スプーンやフォークの音。
スタッフの作業音。
が必要以上に耳に入ることがあります。
小さくBGMが流れていると、
誰とも話さず、ただ甘いものを楽しんでいる時間が自然になります。
何かをしなければいけない感じがない。
スマートフォンを見てもいい。
窓の外を見てもいい。
ゆっくりパフェを食べてもいい。
BGMは、その時間に居場所をつくる音にもなります。
季節のスイーツには、季節の音を少しだけ
スイーツ店は季節との関係が強い業態です。
苺。
桃。
マンゴー。
栗。
さつまいも。
ハロウィン。
クリスマス。
バレンタイン。
商品そのものが季節を表現します。
だから、音楽も季節に合わせやすいです。
ただし、毎月大きく変える必要はありません。
普段はピアノやジャズ。
クリスマスは季節BGM。
春は少し軽いアコースティック。
という程度でも十分です。
商品が季節を伝えているなら、BGMはその横で少しだけ季節感を足す。
それくらいが自然です。
スイーツ・パフェ店で使いやすいBGM
スイーツ店に一つの正解はありません。
店舗の世界観によって変わります。
ピアノ
上品なパフェ専門店や、音楽を強く主張させたくない店に使いやすい音です。
ジャズ
落ち着いた大人向けの店、クラシカルな店、少し高級感のある店舗に合わせやすいでしょう。
アコースティック
明るく親しみやすい店舗や、ナチュラルな内装に合わせやすい音楽です。
ローファイ
モダンな店舗や若い客層に使いやすく、写真や会話の邪魔になりにくい音としても使えます。
少し懐かしい雰囲気のインスト
クリームソーダやプリンなど、レトロな世界観を持つ店舗で使いやすいでしょう。
重要なのは、
「パフェには何が合うか」ではなく、「この店で何を感じて帰ってほしいか」
です。
Store Soundが合いやすいスイーツ・パフェ店
Store Soundは、インストゥルメンタル中心の店舗向けBGMサービスです。
そのため、
- スイーツを主役にしたい
- 店の世界観を音で壊したくない
- 写真を撮る時間を邪魔したくない
- 友人との会話を邪魔したくない
- 一人客にも自然に過ごしてほしい
- 広告音声を店内に入れたくない
- 有名曲そのものにはこだわらない
- 毎日細かく選曲したくない
- 季節によってBGMを少し変えたい
- USENほど多くのチャンネルは必要ない
といった店舗では使いやすい選択肢になります。
特に、
「スイーツにはかなりこだわっている。でも、音楽そのものを主役にはしたくない」
という店舗との相性があります。
一方、
昭和歌謡そのものを店のコンセプトにしている。
特定アーティストのファンが集まる店。
音楽まで含めて強いブランドをつくりたい。
といった店舗には、別の方法の方が向いています。
スイーツ店のBGMは「思い出の背景」になればいい
メロンソーダを見て、昔の喫茶店を思い出す。
友人と食べたパフェの写真を、数年後に見返す。
子どもと食べたケーキを覚えている。
スイーツは、
その日の味だけではなく、一緒にいた人や店の空気まで記憶に残ることがあります。
その思い出の中心にBGMがいる必要はありません。
むしろ、
「何の曲が流れていたかは覚えていない」
くらいでもいい。
きれいなパフェ。
グラスに入ったメロンソーダ。
友人の笑い声。
スプーンの音。
店内の明かり。
その後ろに、小さく音楽が流れている。
そして何年か後、
「あの店、よかったよね」
と思い出す。
Store Soundでは、スイーツ・パフェ店のBGMを、
「甘いものをもっとおいしくするための音楽」ではなく、「その店で生まれる思い出の背景にある音」
として考えています。
映える商品をつくること。
おいしいスイーツをつくること。
そして、その時間を気持ちよく過ごしてもらうこと。
BGMは、その最後の部分を静かに支える存在で十分なのではないでしょうか。
飲食店全体におけるBGMの考え方や、音楽と店舗体験の関係については、「飲食店と音楽の関係」でも詳しく紹介しています。
