居酒屋のBGMは何を流す?大衆店・個人店・落ち着いた居酒屋で考える音楽の選び方

居酒屋のBGMは、店の価格帯だけで決めるものではありません。

むしろ重要なのは、

その店が「にぎやかさ」を提供したいのか、それとも「安らぎ・居心地・落ち着き」を提供したいのか

です。

若いお客様が多く、大人数で盛り上がる大衆居酒屋なら、J-POPやK-POPなど流行りの音楽が店の活気に合うことがあります。

昔ながらの個人居酒屋なら、テレビやUSENがそのまま店の日常になっていることもあります。

一方で、

  • 日本酒をゆっくり飲んでもらいたい
  • 料理を落ち着いて楽しんでもらいたい
  • デートでも使える
  • カウンターで静かに過ごせる
  • 店内の喧騒をできるだけ抑えたい
  • 大人が一人でも入りやすい

といった居酒屋では、流行曲よりも和ジャズやジャズ、アコースティックなど、会話や料理を邪魔しないBGMの方が合わせやすくなります。

さらに居酒屋では、ラストオーダー後も会話が続きやすいため、閉店前に「蛍の光」などへBGMを切り替え、

「あ、もう閉店の時間なんだ」

と自然に気づいてもらう使い方もできます。

Store Soundでは、居酒屋のBGMを、

「居酒屋だから何を流すか」ではなく、「その店でどんな時間を過ごしてほしいのか」

から考えるのがよいと思っています。

目次

居酒屋は「にぎやかな店」と「落ち着いて過ごす店」でBGMが変わる

居酒屋という言葉には、かなり幅があります。

たとえば、

  • 学生や若い会社員が多い大衆居酒屋
  • 大人数で宴会する店
  • 昔ながらの個人居酒屋
  • 焼鳥や海鮮を中心にした専門店
  • 日本酒や焼酎にこだわる店
  • カウンター中心の小さな居酒屋
  • デートで使われる落ち着いた店
  • 小料理屋に近い店

などです。

同じ「居酒屋」でも、お客様が期待している時間は違います。

大声で笑って飲むことが楽しい店もある。

逆に、

騒がしすぎず、料理と酒と会話をゆっくり楽しめること

が価値になる店もあります。

そのため、

すべての居酒屋に同じBGMを勧めるのは不自然

です。

若者向け・大衆居酒屋なら流行りの音楽が合う

若いお客様や大人数利用が多い居酒屋では、店内の活気そのものが価値になります。

友人同士で飲む。

会社の同僚と盛り上がる。

二次会で利用する。

こうした店舗なら、

  • J-POP
  • K-POP
  • ロック
  • ポップス

など、知っている曲が流れることも店の雰囲気に合います。

このタイプの店舗では、

音楽が多少前に出ても成立します。

むしろ、店内をにぎやかに見せたり、若い客層に合わせたりするために、流行曲を使う意味があります。

有名アーティストの楽曲そのものが店舗コンセプトに必要なら、それらを店舗利用できるBGMサービスを選ぶ方が自然です。

昔ながらの個人居酒屋では、BGMをそこまで設計していないこともある

一方、個人経営の居酒屋では、

BGMを店舗戦略として細かく考えていない

こともあります。

仕入れ。

仕込み。

料理。

接客。

ドリンク。

会計。

片付け。

少人数でこれらを回していれば、BGMまで毎日細かく設計する余裕がない店舗もあります。

その結果、

「店舗BGMといえばUSENだから、とりあえずUSEN」

という選択も起こります。

USENが悪いという話ではありません。

有名曲や多数のチャンネルを使いたい店には向いています。

ただ、

そこまで多くの選択肢を必要としていないのに、他のサービスを知らない

という個人店もあります。

「USENしか知らない」という状態は個人居酒屋でも起こる

店舗で音楽を流そうとしたとき、

「店のBGMならUSEN」

と考える経営者は少なくありません。

特に長く店舗を運営している場合、BGMサービスを比較すること自体が日常業務ではありません。

だから、

テレビでは少し味気ない。

無音も嫌。

有名曲にはそこまでこだわらない。

店に合う音楽が流れていればいい。

という店でも、USENを使っていることがあります。

こうした店舗では、

「何百チャンネルから選べること」より、「店に合う音が簡単に流れること」

の方が価値になる場合があります。

居酒屋では「安らぎ」や「居心地」を売る店もある

居酒屋というと、にぎやかなイメージを持たれやすい業態です。

しかし、すべての店が喧騒を価値にしているわけではありません。

たとえば、

  • 一人で静かに飲める
  • カウンターで店主と少し話せる
  • 日本酒をゆっくり味わえる
  • 料理を一品ずつ楽しめる
  • 大人数の宴会が少ない
  • 照明を落としている
  • 隣席との距離を取っている

といった店があります。

こうした店舗では、

「居酒屋なのに落ち着いている」

こと自体が特徴になります。

その場合、BGMも活気を足すためではなく、

喧騒を増やさず、居心地を保つための音

として使う方が自然です。

落ち着いた居酒屋では「流行りの曲を楽しむ必要」がない

料理や酒をゆっくり楽しむことが目的なら、最新のJ-POPやK-POPを次々に流す必要性は低くなります。

お客様が楽しみたいのは、

料理。

酒。

会話。

一人で過ごす時間。

店主との距離感。

かもしれません。

そのため、知っている曲が次々に流れて音楽へ意識が向くより、

音楽は背景にいてくれた方がよい

という店もあります。

特に、

  • 日本酒にこだわる店
  • 小料理屋に近い居酒屋
  • デート利用がある店
  • カウンターで一人飲みしやすい店
  • 喧騒を避けたい店

では、インスト中心のBGMが合わせやすくなります。

居酒屋と和ジャズは相性がいい

こうした「落ち着いた和の居酒屋」と相性がよいジャンルの一つが、和ジャズです。

純粋な和楽器だけだと、店舗によっては旅館や観光施設のような演出に寄りすぎることがあります。

一方、普通のジャズだけでは、和の雰囲気が少し弱い場合があります。

そこで、

和の要素と現代的なジャズを合わせた和ジャズ

が使いやすくなります。

たとえば、

  • 日本酒居酒屋
  • 海鮮居酒屋
  • 炉端焼き
  • 焼鳥
  • 小料理
  • 創作和食
  • 木を使った内装
  • カウンター中心の個人店

などです。

「和食らしさ」は残したい。

でも古典的にしすぎたくない。

音楽そのものを主役にはしたくない。

こうした店に和ジャズは合わせやすいBGMです。

居酒屋では「喧騒を足さない」ことも重要

居酒屋はもともと音が多い業態です。

お客様の会話。

グラスの音。

食器。

厨房。

注文。

スタッフの声。

そこにBGMまで大きく加えると、店内の音量がさらに上がります。

お客様が音楽に負けないように大きな声で話す。

隣のテーブルも声を大きくする。

結果として店内全体がさらに騒がしくなる。

にぎやかさを売る大衆居酒屋なら、それが店らしさになることもあります。

しかし、

「落ち着いて飲める居酒屋」をつくりたいなら逆効果

です。

このタイプの店では、BGMのジャンルだけでなく、

音量を抑えること

も非常に重要です。

一人飲みが多い居酒屋ではBGMが居心地をつくる

カウンター中心の居酒屋では、一人客もいます。

一人で日本酒を飲む。

料理を少しずつ頼む。

店主と話すこともあれば、話さず静かに飲むこともある。

こうした店舗で完全な無音になると、場合によっては店内の小さな物音や他人の会話が気になることがあります。

そこで、小さくBGMが流れていると、

一人で黙っていても居づらくない空気

をつくりやすくなります。

一人飲みの多い居酒屋では、

BGMを盛り上げるためではなく、

沈黙を不自然にしない背景

として使う考え方があります。

会話を楽しむ店ではBGMが前に出すぎない方がいい

居酒屋は、食事だけではなく会話を楽しむ場所でもあります。

会社の同僚。

友人。

家族。

カップル。

それぞれが話をする。

そのためBGMの音量が大きすぎれば、

会話するために声を大きくしなければならない

という状態になります。

特に落ち着いた店舗では、

音楽を聞かせることより、

会話が自然にできること

の方が優先されます。

BGMは存在感を出すより、会話の後ろに置いた方がよいでしょう。

個室居酒屋では周囲の会話を目立ちにくくする役割もある

個室を備えた居酒屋では、BGMに別の役割があります。

接待。

会社の会食。

家族のお祝い。

デート。

こうした利用では、隣室や廊下の声が気にならないことも重要です。

もちろん、普通のBGMだけで隣室の会話を完全に隠すことはできません。

遮音性能や間仕切りの方が根本的には重要です。

ただし、完全に静かな空間よりも適度な背景音があることで、

周囲の声へ意識が向きにくくなる

ことがあります。

個室居酒屋では、

雰囲気づくりだけではなく、会話しやすい音環境をつくる

という視点でもBGMを考えられます。

居酒屋は長居しやすいから「蛍の光」が実務的に使える

居酒屋は、ラーメン店などと比べると滞在時間が長くなりやすい業態です。

料理を食べ終えた。

ラストオーダーも終わった。

それでも会話が続いている。

ということは珍しくありません。

お客様自身も楽しく話していると、閉店時刻を意識していないことがあります。

そこで、

通常営業中のBGMから閉店BGMへ切り替える

という方法があります。

たとえば「蛍の光」のように、閉店を連想しやすい音楽へ変わると、

「あ、もう終わりの時間なんだ」

と自然に気づいてもらいやすくなります。

閉店BGMはお客様を追い出すためだけのものではない

閉店BGMには、店舗運営上の意味があります。

居酒屋では閉店後にも、

  • テーブルの片付け
  • グラスや皿の洗浄
  • 厨房清掃
  • 床清掃
  • レジ締め
  • 売上確認
  • 翌日の準備

などが残っています。

夜営業では、スタッフの終電もあります。

閉店時刻を過ぎてもお客様が長く残れば、片付け開始が遅れ、従業員の退勤時間まで後ろ倒しになります。

そのため、

閉店時間をお客様にも自然に認識してもらうこと

は悪いことではありません。

照明。

スタッフの片付け。

ラストオーダーの案内。

そしてBGM。

こうしたものを組み合わせて、

「営業中」から「閉店準備」へ店全体を切り替える

方法があります。

「蛍の光」で「あ、もう終わりか」と気づいてもらう

閉店BGMが便利なのは、意味を説明しなくても伝わりやすいところです。

通常営業中は和ジャズやジャズ。

ラストオーダー後に「蛍の光」。

それだけで、お客様側も、

「そろそろ帰ろうか」

と判断しやすくなります。

もちろん、本当に閉店時刻を過ぎればスタッフから案内する必要もあります。

ただ、その前段階で、

音によって営業時間の変化を知らせる

ことはできます。

居酒屋ではBGMを、

店内の雰囲気をつくるものだけでなく、営業オペレーションを助ける音

として使うこともできます。

BGMのテンポで滞在時間を操作できる?

飲食店のBGMと滞在時間については研究があります。

2024年に発表されたレストランでのフィールド実験では、BGMのテンポ条件によって滞在時間に違いが見られ、速いテンポ条件では遅いテンポ条件より滞在時間が短かったと報告されています。

参考:
How Does Background Music Affect Dining Duration, Tips and Bill Amounts in Restaurants? A Field Experiment

ただし、この研究は居酒屋を対象にしたものではありません。

また、BGMと滞在時間に関する結果は研究条件によって異なります。

そのため、

「回転率を上げるなら速い曲を流す」

と単純に考えるべきではありません。

居酒屋なら、通常営業中に音楽でお客様を急かすより、

閉店時間になったら分かりやすくBGMを切り替える

方が実務的です。

居酒屋で使いやすいBGM

和ジャズ

日本酒、海鮮、炉端、焼鳥など、和の要素を大切にしながら落ち着いた空間をつくりたい店舗に向いています。

居酒屋らしい和の雰囲気を残しながら、古典的になりすぎないところが使いやすいジャンルです。

J-POP・流行曲

若い客層や、大人数で盛り上がる大衆居酒屋に向いています。

有名曲を流す場合は、店舗利用できる適切なサービスを使う必要があります。

ジャズ

大人向けで、比較的静かに酒や料理を楽しむ店舗に合わせやすいBGMです。

アコースティック

木を使った内装や、温かく親しみやすい個人居酒屋に使いやすいでしょう。

ピアノ・アンビエント

喧騒を抑えたい店舗や、個室・デート利用が多い店舗で選択肢になります。

テレビ

昔ながらの大衆居酒屋なら、これも一つの正解です。

テレビがすでに店の日常になっているなら、無理に変える必要はありません。

閉店BGM

ラストオーダー後には「蛍の光」など、営業終了を連想しやすい音楽へ切り替える方法があります。

USENが必要な居酒屋と、オーバースペックになる居酒屋

有名曲を流したい。

若いお客様向けにJ-POPを使いたい。

たくさんのチャンネルから選びたい。

こうした居酒屋なら、USENのようなサービスには明確な価値があります。

一方、

料理や酒を主役にしたい。

有名曲はいらない。

店の雰囲気を壊さない音楽が流れていればいい。

という店舗もあります。

その場合、

大量のチャンネルや有名曲まで必要とは限りません。

特に個人経営や少人数営業なら、

「何を流すかを毎日考えなくていい」

こと自体が価値になることもあります。

店舗BGMは、選択肢が多ければ多いほど良いわけではありません。

Store Soundが合いやすい居酒屋

Store Soundは、インストゥルメンタル中心の店舗向けBGMサービスです。

そのため、

  • 和ジャズを流したい
  • 料理や酒を主役にしたい
  • にぎやかすぎない店にしたい
  • 一人でも落ち着いて飲める空間をつくりたい
  • 会話を邪魔しないBGMがほしい
  • テレビでは店の雰囲気に合わない
  • 有名曲には特にこだわらない
  • USENほど多機能でなくてよい
  • 少人数営業で選曲に時間をかけたくない
  • 閉店時には閉店BGMへ切り替えたい

といった居酒屋では使いやすい選択肢になります。

特に、

「大衆居酒屋のような喧騒は出したくない。でも静かすぎる店にもしたくない」

という店舗との相性があります。

一方、

若いお客様を中心に流行曲で盛り上げたい店や、テレビが店の風景として成立している昔ながらの居酒屋には、別の方法の方が合う場合があります。

Store Soundでは閉店時など通常営業以外のシーンにも対応

Store Soundでは通常営業のBGMだけでなく、イベント向けプランでは通常営業とは異なる場面で使う音楽にも対応しています。

普段は和ジャズやジャズ。

必要なイベントでは専用の音楽。

閉店時には閉店用BGM。

という使い分けができます。

居酒屋では、

営業中の雰囲気づくりと、閉店時の店舗運営

の両方でBGMを活用できます。

居酒屋のBGMは「どんな空気の店にしたいか」で考える

居酒屋のBGMに一つの正解はありません。

若者向けの大衆居酒屋なら、

流行曲で活気をつくる。

昔ながらの個人店なら、

テレビやUSENがそのまま店の日常になっている。

日本酒や料理をゆっくり楽しませたい店なら、

和ジャズやジャズで喧騒を増やさない。

一人飲みやデートでも使える店なら、

会話や沈黙を邪魔しない背景音をつくる。

そして閉店時には、

「蛍の光」などで営業終了を自然に知らせる。

居酒屋で大切なのは、

「高い店だから静かな音楽」ではありません。

店が、

にぎやかさを価値にするのか。

それとも、

安らぎや居心地、落ち着いて酒と料理を楽しめる時間を価値にするのか。

そこからBGMを考えることです。

特に後者では、

音楽を聞かせることより、店内の喧騒を増やさず、料理・酒・会話が自然に主役になれる音環境をつくること

が重要になります。

飲食店全体におけるBGMの考え方や、音楽と店舗体験の関係については、「飲食店と音楽の関係」でも詳しく紹介しています。

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