洋食店のBGMは、和食や寿司ほど「静けさ」を最優先する必要はありません。
一方で、居酒屋のように活気をつくることが主目的でもありません。
ハンバーグ、オムライス、ビーフシチュー、エビフライ、ナポリタンなどを提供する洋食店では、
料理のおいしさや親しみやすさを邪魔せず、その店らしい雰囲気をつくること
がBGMの役割になりやすいとStore Soundでは考えています。
ただし、洋食店といってもかなり幅があります。
昔ながらの老舗洋食店。
家族で利用する街の洋食屋。
若い世代向けの現代的な洋食店。
記念日や会食にも使われる高価格帯の洋食レストラン。
同じ洋食でも、BGMをどこまで重要視するかは違います。
そのため、
「洋食にはこのジャンル」ではなく、「どんな洋食店なのか」
から音楽を考える方が自然です。
この記事でいう「洋食店」とは
ここでいう洋食は、フレンチやイタリアンそのものではなく、日本で独自に発展してきた「洋食」を中心に考えています。
たとえば、
- ハンバーグ
- オムライス
- ビーフシチュー
- エビフライ
- カニクリームコロッケ
- ポークカツレツ
- ナポリタン
- 洋食プレート
などを提供する店舗です。
本格的なフレンチほど緊張しない。
しかし、家庭料理より少し特別。
この**「親しみやすさと特別感の間」**が、洋食店ならではの特徴の一つです。
BGMも、このバランスを壊さないことが重要になります。
洋食店ではBGMが「店の雰囲気」をつくりやすい
洋食店では、寿司カウンターのように職人の手仕事や調理音そのものを主役にする必要はありません。
料亭のように静けさを最大限残す必要もありません。
そのため、BGMを比較的積極的に使いやすい業態です。
店に入った瞬間に、
「昔ながらの洋食屋だな」
「家族で入りやすそうだな」
「少し大人っぽい店だな」
と感じる。
その印象づくりに、内装や照明と一緒に音楽が使えます。
2003年に実際のレストランで行われた研究では、クラシック、ポップ、無音を比較したところ、クラシック音楽の条件で1人当たりの総支出額が高くなったと報告されています。 (journals.sagepub.com)
ただし、
「クラシックを流せば洋食店の売上が上がる」
という意味ではありません。
店舗の客層や価格帯、料理、内装など条件が違えば結果も変わります。
ここで重要なのは、音楽も店内の印象を構成する一つの要素になり得るということです。
音楽は料理の印象にも関係する可能性がある
料理とBGMの関係についても研究があります。
2014年に『Appetite』で発表された研究では、クラシック、ジャズ、ヒップホップ、ロックという異なるジャンルのBGMを聞きながら食品を評価したところ、音楽ジャンルによって食品の好ましさや全体的な印象が変化する場合があることが報告されています。 (pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
もちろん、ハンバーグやオムライスを対象にした研究ではありません。
「ジャズを流せばハンバーグがおいしくなる」と結論づけることもできません。
それでも、
食事の印象は、料理だけで完結しているわけではない
という点は、飲食店のBGMを考えるうえで参考になります。
昔ながらの洋食店では、そもそもBGMを重要視していないこともある
一方、すべての洋食店がBGMで世界観をつくっているわけではありません。
Store Soundを利用した老舗店舗からは、
「店内で何か流したいとは思っていたものの、店舗BGMといえばUSENくらいしか知らなかった」
という話を聞いたことがあります。
また、昔ながらの飲食店では、
「テレビを流しておけば十分」
という考え方もあります。
これは決して悪いことではありません。
長年地域で営業していて、
料理。
店主。
常連客。
店内の雰囲気。
それだけですでに店が成立しているのであれば、音楽をブランドの中心に置く必要はないからです。
町の洋食店では、テレビからニュースやスポーツが流れている風景そのものが店の日常になっていることもあります。
「テレビで十分な店」と「BGMが必要な店」は違う
ここは洋食店のBGMを考えるうえで重要です。
たとえば、
料理を食べに来てもらえれば十分。
音楽には特にこだわらない。
店内が静かすぎなければテレビでいい。
という店舗なら、無理に店舗BGMサービスを導入する必要はありません。
一方、
テレビほど主張させたくない。
でも無音にもしたくない。
料理や会話の背景に自然な音だけほしい。
となると、BGMの意味が出てきます。
つまり、
BGMを必要とする洋食店は、必ずしも「音楽好きな店」ではありません。
むしろ、
音楽に強いこだわりはないけれど、店内の音環境にはこだわりたい店
に、店舗BGMサービスが必要になることがあります。
老舗洋食店では「USENしか知らなかった」ということもある
店舗BGMといえばUSEN。
長く飲食店を経営している人ほど、そう考えているケースもあります。
実際に、Store Soundを知るまで他の選択肢をほとんど知らなかったという店舗もありました。
しかし、店舗によって必要な機能は違います。
最新のJ-POP。
多数のチャンネル。
有名アーティスト。
さまざまな番組。
こうした機能が必要な店もあれば、
「営業中に店の雰囲気を壊さないインストが流れていれば十分」
という店もあります。
後者にとっては、多機能なサービスがオーバースペックになることがあります。
洋食店では特に、
BGMはほしい。でもBGMのために大きな固定費をかけるほどではない
という店舗もあるでしょう。
昔ながらの洋食店なら「レトロ感」を音で補強する方法もある
洋食には、どこか懐かしいイメージがあります。
木製の椅子。
白い皿。
赤いケチャップのオムライス。
デミグラスソースのハンバーグ。
ナポリタン。
長年使われている看板。
こうした「昔ながらの洋食屋」という世界観を持つ店舗では、BGMにも少しレトロな雰囲気を持たせる方法があります。
たとえば、
- 穏やかなジャズ
- スウィング
- ピアノ
- 軽いアコースティック
などです。
重要なのは、古い曲を流すことそのものではなく、
店に入った瞬間に感じる懐かしさと、BGMの方向を揃えること
です。
一方、その店にとってテレビが長年の風景になっているのであれば、無理に変える必要もありません。
家族で利用する街の洋食店では、音楽は主張しすぎなくていい
洋食店は、子ども連れの家族でも利用しやすい業態です。
ハンバーグやオムライス、エビフライなど、年齢を問わず食べやすいメニューも多くあります。
家族利用が中心なら、
- 家族の会話
- 子どもの声
- 食器の音
- スタッフの声
などが自然に発生します。
そのため、BGMまで強く主張させる必要はありません。
適度なジャズやアコースティックなどを流し、
店内のさまざまな音を自然になじませる背景
として使う方法があります。
このタイプの店舗では、高級感を無理につくるより、
入りやすさと居心地を崩さないこと
の方が重要です。
高価格帯になるとBGMを考える意味が大きくなる
一方で、
- 黒毛和牛のハンバーグ
- 長時間煮込んだビーフシチュー
- コース形式
- ワインを合わせる
- 記念日や会食利用
- 内装や接客までこだわる
といった高価格帯の洋食店では事情が変わります。
お客様が購入しているものが、料理だけではなくなってくるからです。
料理。
サービス。
内装。
照明。
器。
店内で過ごす時間。
そこまで含めて価格が成立しています。
そうした店舗では、
テレビで十分
とはなりにくくなります。
テレビからニュースやCMが流れれば、せっかくつくった世界観が一気に日常へ戻ることがあります。
高価格帯ほど、BGMは「何か流れていればよい」ではなく、
店舗体験を壊さないための音
として考える意味が大きくなります。
高価格帯だから高価なBGMサービスが必要なわけではない
ここは別の話です。
店が高価格帯だからといって、BGMサービスまで高価である必要はありません。
必要なのが、
- 有名曲
- 最新曲
- 特定アーティスト
- 大量のチャンネル
なら、それに対応するサービスへ費用を払う意味があります。
一方、
有名曲は必要ない。
店の世界観を邪魔しないインストがほしい。
という店舗なら、そこまで多機能なサービスは必要ありません。
つまり、
店舗にはお金をかける。でも、必要以上のBGM機能にはお金をかけない
という判断もできます。
高価格帯だからこそ「安ければ何でもいい」のではなく、
必要な品質は保ちつつ、不要な機能には払わない
という考え方です。
高価格帯の洋食店では「店の格」と音楽を揃える
英国のレストランで行われた研究では、クラシック音楽条件で、ポップや無音より平均支出額が高くなったという結果があります。 (journals.sagepub.com)
また別の研究でも、ジャズやクラシックなど音楽スタイルによって、**店内の雰囲気の評価や「いくら支払ってもよいと感じるか」**に違いが見られています。 (journals.sagepub.com)
ただし、
クラシックを流せば客単価が上がる
と考えるべきではありません。
Store Soundではむしろ、
店の価格帯とBGMの印象がズレていないこと
の方が重要だと考えています。
高単価なのにBGMだけ極端にカジュアル。
落ち着いた内装なのにテレビCMが大きく流れる。
それでは、料理や接客でつくった印象との一貫性が弱くなる場合があります。
カジュアルな洋食店ではJ-POPを流してもいい?
もちろん、J-POPが合う洋食店もあります。
学生や若い家族が多い。
駅前で気軽に入れる。
ランチ中心。
明るくカジュアルな店づくり。
こうした店舗なら、流行曲が雰囲気と合う場合があります。
寿司や料亭のように、
「流行曲そのものが空間を壊しやすい業態」
とは少し違います。
ただし、有名曲を流す必要が特にないのであれば、インストにすることで、
幅広い年代のお客様が聞いても気になりにくい
というメリットがあります。
つまり洋食店では、
J-POPが良い・悪いではなく、その店舗に必要なのか
で考えればよいでしょう。
洋食店では時間帯でBGMを変える方法もある
洋食店は、ランチとディナーの両方を営業する店舗も多い業態です。
昼は、
- 家族
- 会社員
- 友人同士
が入り、比較的明るい雰囲気。
夜になると、
- ワインを飲む
- ゆっくり食事をする
- デートや記念日で利用する
など、同じ店でも利用目的が変わる場合があります。
そのため、
昼と夜でBGMの雰囲気を少し変える
という方法もあります。
昼は軽いアコースティックやローファイ。
夜はジャズやピアノ。
必ず切り替える必要はありませんが、店内照明やメニュー構成が時間帯で変わるのであれば、BGMも合わせると空間の一貫性をつくりやすくなります。
洋食店で使いやすいBGM
ジャズ
洋食店では特に使いやすいジャンルです。
昔ながらの洋食店から、大人向けのレストランまで幅広く合わせられます。
ただし、高級感を強く出したいのか、親しみやすくしたいのかによって曲調を変えた方がよいでしょう。
アコースティック
家庭的で温かい洋食店や、木を使った内装の店舗と合わせやすい音楽です。
ランチにも使いやすいでしょう。
ピアノ
料理や会話を邪魔せず、少し落ち着いた雰囲気にしたい店舗に向いています。
ローファイ
現代的でカジュアルな洋食店に使いやすいジャンルです。
若い客層を狙った新しいタイプの洋食店とも相性があります。
クラシック
高単価の洋食店や、少し特別感を出したい店舗では選択肢になります。
ただし、気軽な街のハンバーグ店などでは、重くなりすぎることもあります。
洋食店では「おしゃれすぎる音楽」にしなくてもいい
洋食店の魅力は、
高級レストランほど緊張しないけれど、家で食べる料理より少し特別
というところにある店舗も多いです。
だからBGMも、
「とにかくおしゃれにしよう」
と考える必要はありません。
料理、価格、客層、内装。
そこから音楽だけが浮かないことの方が重要です。
老舗なら、長年の空気を壊さない。
街の洋食屋なら、家族の会話を邪魔しない。
高価格帯なら、料理や接客でつくった世界観をテレビや強い音楽で崩さない。
店舗によってBGMの正解は違います。
Store Soundが合いやすい洋食店
Store Soundはインストゥルメンタル中心の店舗向けBGMサービスです。
そのため、
- 店内で何か音楽は流したい
- テレビより静かな背景音にしたい
- 有名曲には特にこだわらない
- 幅広い年代のお客様が来る
- 料理や会話を邪魔しないBGMがほしい
- ジャズやアコースティックを流したい
- BGMサービスは必要だが、多機能でなくてよい
- USEN以外の選択肢を探している
- 店の雰囲気に合う音楽を簡単に使いたい
といった洋食店では使いやすい選択肢になります。
特に、
「店内の雰囲気は大切。でも有名曲や大量のチャンネルまでは必要ない」
という店舗との相性があります。
一方で、
「テレビで十分」
という店舗に、無理にStore Soundを導入する必要はありません。
また、最新のJ-POPや有名アーティストの曲そのものを店舗の個性として使いたい場合も、別のサービスの方が目的に合っています。
洋食店のBGMは「どこまで店内体験をつくる店なのか」で考える
洋食店のBGMには、一つの正解がありません。
テレビが流れていて、それが店の日常になっている老舗。
家族でハンバーグを食べる街の洋食屋。
若い人向けの現代的な洋食店。
ワインとビーフシチューを楽しむ高価格帯の洋食レストラン。
同じ「洋食」でも、お客様が期待する時間は違います。
だからStore Soundでは、洋食店のBGMは、
「洋食にはジャズが合う」
で終わらせるのではなく、
「この店は、食事以外の時間や空間までどこまで商品にしているのか」
から考えるのがよいと思っています。
料理と常連客だけで十分成立している老舗なら、テレビという選択もある。
親しみやすい街の洋食屋なら、会話を邪魔しない軽いBGM。
高価格帯で空間まで含めて価値を提供するなら、店の世界観を崩さないインスト。
そして、
BGMは必要だけれど、有名曲や多機能なサービスまでは必要ない。
そんな店もあります。
重要なのは、
音楽によって洋食店を無理に高級に見せることではなく、料理・価格・客層・内装・接客とBGMの役割を揃えること。
それが、洋食店のBGMを選ぶうえで大切ではないでしょうか。
飲食店全体における音楽と味覚・料理選び・店舗体験の関係については、「飲食店と音楽の関係」の記事でも詳しく紹介しています。
