中華料理店のBGMは何を流す?町中華と高価格帯の中国料理店で考える音楽の選び方

中華料理店のBGMは、店によって必要性がかなり違います。

たとえば、昔ながらの町中華。

テレビがついていて、厨房から鍋を振る音が聞こえ、常連客が店主と話している。

こうした店舗では、無理にBGMを入れなくても店の雰囲気が成立します。

一方で、ホテルの中国料理店や、個室を備えた高価格帯の中国料理店では事情が違います。

料理だけでなく、

  • 接客
  • 内装
  • 照明
  • 個室での会話
  • 会食の時間

まで含めて店舗体験になります。

そのためStore Soundでは、中華料理店のBGMを、

「中華料理だから中国っぽい音楽を流す」

ではなく、

「町中華なのか、高価格帯の中国料理店なのか」

から考えるのがよいと思っています。

目次

町中華と高価格帯の中国料理店では、BGMの役割がまったく違う

同じ中華料理でも、

昔ながらの町中華と、高価格帯の中国料理店では店内の目的が大きく違います。

町中華では、

  • ラーメン
  • 炒飯
  • 餃子
  • 麻婆豆腐
  • 定食

などを気軽に食べることが中心です。

一方、高価格帯の中国料理店では、

  • コース料理
  • 北京ダック
  • フカヒレ
  • 点心
  • 中国茶
  • 紹興酒

などをゆっくり楽しみ、接待や家族のお祝い、会食で利用されることもあります。

この違いを考えれば、

すべての中華料理店に同じBGMを勧めること自体が不自然

です。

町中華では「テレビで十分」という店もある

昔ながらの飲食店では、

「店内で何か流れていればいい」

という考え方もあります。

これは洋食店でも見られますが、町中華ではさらに自然です。

テレビから昼のニュースが流れている。

プロ野球中継が流れている。

厨房から中華鍋の音がする。

店主と常連客が話している。

こうした音全部を含めて、すでに店の雰囲気になっています。

そのため、

町中華だから店舗BGMサービスを導入するべき

とは考えていません。

料理を食べてもらうことが中心で、テレビが昔から店の日常になっているなら、それも一つの正解です。

「テレビが流れている町中華らしさ」を消す必要はない

店舗BGMについて考えると、

「テレビよりBGMの方がおしゃれ」

と思ってしまうことがあります。

しかし、必ずしもそうではありません。

昔ながらの赤いカウンター。

短冊メニュー。

瓶ビール。

厨房から聞こえる鍋の音。

テレビから聞こえるニュース。

こうしたものが揃って、

その店らしい町中華の空気

になっている場合があります。

そこへ無理にヒーリングピアノや高級感のあるジャズを入れれば、むしろ店の個性が薄くなるかもしれません。

Store Soundでは、

BGMを入れること自体を目的にしない

ことも大切だと考えています。

では、町中華にBGMはいらないのか

もちろん、すべての町中華がテレビでよいわけではありません。

最近では、

  • 若い店主が開業した新しい町中華
  • 内装を少し現代的にした中華バル
  • 女性客も入りやすい店舗
  • 夜はお酒を中心に楽しめる店舗

などもあります。

こうした店では、テレビよりBGMの方がコンセプトに合う場合があります。

つまり、

昔ながらの町中華だからテレビ、新しい店だからBGM

という単純な話でもありません。

大切なのは、

店がどんな時間を提供したいのか

です。

中華料理店は、もともと店内に音が多い

中華料理店には、他の飲食店より店内の音が多い店舗があります。

たとえば、

  • 中華鍋を振る音
  • 強い火力の音
  • 食器を置く音
  • 厨房スタッフの声
  • ホールスタッフの声
  • グループ客の会話

などです。

オープンキッチンに近い町中華であれば、これら自体が店の活気をつくっています。

そのためBGMも、

厨房の音に勝とうとするほど大きくする必要はありません。

音楽を大きくすると、お客様同士がさらに大きな声で話すようになり、店全体が騒がしくなる可能性があります。

中華料理店では、

すでにある活気にBGMを足しすぎない

ことも重要です。

高価格帯の中国料理店では話が変わる

一方、高価格帯の中国料理店では、町中華とはBGMの目的が変わります。

高価格帯の店舗では、

料理だけでなく、

内装。

テーブルセッティング。

器。

サービス。

照明。

個室。

そこで過ごす時間。

まで含めて料金が成立しています。

そのため、テレビからニュースやCMが流れているだけで、店舗がつくった世界観と合わなくなることがあります。

高価格帯では、

「何か音があればいい」から、「どんな音が空間にあるか」へ

考え方が変わります。

実際に高価格帯の中国料理店を対象にしたBGM研究もある

2022年に発表された研究では、台北の高価格帯の中国料理店を対象に、BGMの違いが食事中の感情や行動反応にどう関係するかが調べられています。

研究では、中国系・西洋系のクラシックやジャズなど複数のBGM条件を比較し、音楽の違いによって食事中の感情や行動反応に差が見られました。

中国クラシックの条件が最も好まれたことも報告されています。

ただし、これは台北の特定の高価格帯レストランを対象とした研究です。

「高級中華なら中国クラシックが正解」という意味ではありません。

高価格帯の中国料理店では、BGMも食事体験を構成する環境要素の一つになり得る、という参考として見るのがよいでしょう。

参考:
Does Background Music Affect Silent Dining Emotions? An Empirical Study of Restaurants during COVID-19

中国らしい音楽を流せばいいわけでもない

中華料理店というと、

二胡。

古筝。

笛。

中国風の伝統音楽。

といったジャンルを思い浮かべるかもしれません。

もちろん、これらが合う店舗もあります。

特に、

  • 中国の伝統的な内装
  • 本格的な中国料理
  • 中国文化そのものを体験してもらいたい
  • 観光客が多い

といった店舗では、中国らしい音を使う意味があります。

一方で、非常にモダンな中国料理店に伝統音楽を強く流すと、演出が分かりやすすぎる場合もあります。

料理と音楽の文化的な一致については研究があり、文化的に一致した音楽が料理選択や店舗の「本物らしさ」の認識に関係する可能性が報告されています。

参考:
Music as an atmospheric cue and its influence on perceived authenticity and food choice

ただし、

中華料理=中国音楽

と単純に考える必要はありません。

大切なのは、店がどれくらい「中国らしさ」を打ち出したいかです。

中国料理店でも、モダンならジャズが合うことがある

たとえば、

黒を基調とした内装。

間接照明。

ワインや紹興酒をゆっくり楽しむ。

創作的な中国料理。

こうした現代的な店舗なら、中国伝統音楽よりジャズやアンビエントの方が合うこともあります。

先ほどの高価格帯中国料理店を対象にした研究でも、中国系・西洋系のクラシックだけではなく、ジャズを含む複数条件が比較されています。

つまり、

料理の国籍だけで音楽を決める必要はない

ということです。

料理、内装、価格帯、客層。

それらと音楽の方向が揃っている方が重要です。

高価格帯では流行りのJ-POPを流す必要性も低くなる

町中華なら、テレビから流行曲が流れていたり、J-POPが流れていたりしてもそれほど違和感がない場合があります。

しかし、接待や記念日で利用される高価格帯の中国料理店では事情が変わります。

お客様は、

料理を食べる。

酒を楽しむ。

会話をする。

サービスを受ける。

その時間そのものにお金を払っています。

そのため、

最新のJ-POPやK-POPを楽しむことが来店目的ではありません。

知っている曲が強く前に出ると、料理や会話より曲へ意識が向くこともあります。

高価格帯では、

流行っている曲を流す必要があるか

を一度考えた方がよいでしょう。

有名曲が特に必要ないなら、インスト中心の方が店舗体験を邪魔しにくくなります。

個室の中国料理店では「会話」が重要になる

高価格帯の中国料理店には、個室を備えた店舗も多くあります。

接待。

商談。

家族のお祝い。

顔合わせ。

こうした用途では、

料理と同じくらい会話が重要

です。

そのため、BGMは大きく主張するより、会話の背景にある方が自然です。

また、複数の個室が隣接している場合は、周囲が完全な無音だと、

隣室の声。

廊下の会話。

スタッフの声。

などが意識されやすくなることがあります。

普通のBGMだけで会話を完全に隠せるわけではありませんが、

周囲の会話や生活音を目立ちにくくする背景音

として使う考え方はあります。

寿司店の個室と同じように、高価格帯の中国料理店でも、

BGM=演出だけではなく、会話しやすい音環境をつくるもの

という役割が出てきます。

円卓の大人数利用では、BGMを大きくしすぎない

中国料理店には、円卓を囲んで複数人で料理を取り分けるスタイルもあります。

人数が多くなるほど、もともとの会話量も増えます。

この状態でBGMまで大きくすると、

「向かいにいる人の声が聞き取りにくい」

ということが起こりやすくなります。

大人数利用では、

BGMの存在感より会話のしやすさ

を優先した方がよいでしょう。

音楽は聞かせるものではなく、

会話と食事の後ろに薄くあるもの

くらいでも十分です。

中華料理店で使いやすいBGM

中国楽器・オリエンタル系

中国文化や伝統的な世界観を明確に打ち出したい店舗に向いています。

高級中国料理や観光客が多い店舗でも使いやすいでしょう。

ただし、演出が強くなりすぎないよう、音量や曲調には注意が必要です。

ジャズ

現代的な中国料理店や、中華バル、高単価のモダンチャイニーズなどに合わせやすいジャンルです。

特にワインや酒をゆっくり楽しむ店舗では使いやすいでしょう。

アンビエント

高級感はほしいものの、ジャンルそのものを意識させたくない店舗に向いています。

料理と会話を主役にしやすい音楽です。

ピアノ

個室中心の落ち着いた店舗や、会食用途が多い店で使いやすいでしょう。

ローファイ

若い客層を狙った現代的な中華料理店や、カジュアルな中華バルなどに向いています。

テレビ

昔ながらの町中華なら、これも立派な選択肢です。

店の空気としてすでに成立しているなら、無理にBGMへ変える必要はありません。

「USENしか知らない」という店舗にも別の選択肢はある

昔から店舗を経営している人の場合、

店舗で音楽を流すならUSEN

という認識を持っていることがあります。

しかし、すべての中華料理店が、

  • 最新J-POP
  • 有名アーティスト
  • 大量のチャンネル
  • 多数の番組

を必要としているわけではありません。

特に高価格帯の中国料理店で、

有名曲は要らない。
でもテレビは店の雰囲気に合わない。
無音にもしたくない。

という場合があります。

こうした店舗にとっては、多機能なBGMサービスがオーバースペックになることもあります。

必要なのは、

店舗の格を崩さず、会話や料理を邪魔しない音が流れていること

だけかもしれません。

高価格帯だからBGMに大きな固定費をかける必要はない

高価格帯の店舗では、BGMの重要性は高くなります。

ただし、

BGMが重要=高額なBGMサービスが必要

ではありません。

店内装飾や食材、器、サービスにはしっかり費用をかける。

その一方で、有名曲や数百チャンネルが必要ないのであれば、その機能にまで費用を払う必要はありません。

これは「とにかく安くしたい」という話ではありません。

必要な店舗体験にはお金をかけ、不要な機能にはお金をかけない。

という考え方です。

高価格帯の中国料理店でも、BGMサービスを選ぶ基準として成立します。

Store Soundが合いやすい中華料理店

Store Soundは、インストゥルメンタル中心の店舗向けBGMサービスです。

そのため、

  • テレビでは店舗の雰囲気に合わない
  • 無音にもしたくない
  • 有名曲にはこだわらない
  • 料理や会話を主役にしたい
  • 高価格帯なので空間も大切にしたい
  • 個室で静かなBGMを流したい
  • ジャズや落ち着いたインストを使いたい
  • USENほど多くの機能はいらない
  • BGMに過剰な固定費をかけたくない

といった中国料理店では使いやすい選択肢になります。

特に、

料理や内装にはこだわっている。でも、有名曲までは必要ない。

という店舗との相性があります。

一方、

昔ながらの町中華で、

「テレビで十分」

なら、無理にStore Soundへ変える必要はありません。

また、最新J-POPや特定アーティストを積極的に流したい店舗にも向いていません。

その場合は、それらの楽曲を店舗利用できるサービスを選ぶ方がよいでしょう。

中華料理店のBGMは「中華っぽさ」より、店の価格帯と使われ方で考える

中華料理店のBGMを考えると、

「中国っぽい曲を流そう」

という話になりがちです。

でも実際には、それだけでは足りません。

昔ながらの町中華なら、テレビや厨房の音だけで店が成立する。

現代的な中華バルなら、ローファイやジャズでもいい。

本格的な中国文化を打ち出す店舗なら、中国楽器を使う意味がある。

高価格帯で接待や会食に使われる店なら、料理・会話・空間を邪魔しないインストが重要になる。

つまり、

「何料理なのか」だけではなく、「その店でお客様がどう過ごすのか」

によって、BGMの役割は変わります。

Store Soundでは、

町中華に無理やり高級なBGMを入れる必要はない

と思っています。

同時に、

高価格帯の中国料理店で、テレビや流行曲しか選択肢がないわけでもありません。

店の価格。

客層。

内装。

利用目的。

そして、音楽をどこまで主張させたいか。

それらを揃えて考えることが、中華料理店のBGM選びでは大切ではないでしょうか。

飲食店全体におけるBGMの考え方や、音楽と店舗体験の関係については、「飲食店と音楽の関係」でも詳しく紹介しています。

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